第5回
ピアノの先生には絶対ならん!!

わたしが通っていた教室は、N島町にあるDビルの確か4階でした。階段をてくてく上って4階に着くと、ちょっとしたロビーとカウンターがあり、わたしはそのカウンターの一番近くにある教室でレッスンを受けていました。

ある日レッスンに行くと、N村先生と2、3人の先生たちがカウンターで談笑しており、わたしは「こんにちは」とあいさつして教室へと入りました。

レッスン時間になりました。が、先生が来ない。
かすかに洩れてくる笑い声。

まだしゃべってるな。

そして5分くらい過ぎた頃でしょうか。やっと来たかと思ったら。
先生「あ、みのちゃーん、ちょっと一人で練習しててぇ。すぐ来るからぁ。…それでさー、今度温泉行かない!? 温泉!!…

ドアを閉め終わらないうちに聞こえてしまった温泉話。
わたしは一人で適当にタラタラとピアノを弾きながら心の中でつぶやいた。

レッスンを先にしろ、レッスンをっ!!

そして今回はさすがにキレたのか、わたしは幼心にもこう誓ったのだった。

『ピアノの先生には絶対ならん!! 特にここの教室の先生にはなるもんかー!!』

──しかしその13年後、わたしはまさにその音楽教室の講師になっていたのでした…。

…アレ?

次回は『ついに先生変える』です。

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Last modified: Thu May 9 01:48:15 JST 2002