第9回
卒業式のエレクトーン奏者になる

わたしが通っていたT和小学校の卒業式では、卒業証書授与のときに、エレクトーンを弾ける5年生がBGMとしてエレクトーンを演奏する、という小粋な演出がされていました。

ピアノを習っていた人なら必ず一度は思うはず。『エレクトーンが弾きたい!!』と。そしてエレクトーンを習っている人は思うのです。『ピアノが弾きたい!!』と。…ないものねだり、というやつですな。(-_-)

もちろんわたしは4年生の頃から、この卒業式でのエレクトーン奏者にあこがれておりました。

そして、やっと5年生になり、やっと3学期になり、やっと卒業式が近づいて来た頃…。来ました、「エレクトーンを弾ける人〜」との募集が!
ハ〜〜〜イ!!(⌒∇⌒)ノ」…って、おいおいっ、エレクトーン弾いたことないじゃん!! という心の声を無視して思いっきり立候補し、無事(?)選ばれたのでした。

ということになって、エレクトーンを習っている友だちから楽譜を借りて選んだ曲が『雨にぬれても』と『いい日旅立ち』(古っ!)でした。
その日から、昼休みになると音楽室へ行ってエレクトーンを毎日練習しました。ピアノはあんまり左足を使わないので、左足でのベース演奏には本当に苦労しました。…が、なんとか弾けるようになりました。やっぱり『どうしても弾きたい!!』という情熱は実るものなのですね。

いよいよ卒業式当日。式は厳かに進められていきました。演奏を控えて、エレクトーンを弾ける約10名の5年生はエレクトーンの前で待機。
そしてついに卒業証書授与の時が来ました。トップバッターの奏者が静かな静かな音でエレクトーンを弾き始めると、式はより一層厳かに!! うーんっ、これこれ、この雰囲気っ。この雰囲気を自分が作り出せることの素晴らしさ!!(* ̄ー ̄*)ウットリ……と浸っているのもつかの間、えっ、次わたしの出番ですかっ? ドキドキッ。

でも、すごく小さな音だったせいなのか、あるいは主役が卒業生たちだったせいなのか、それほど緊張せずに2曲を弾き終えて席に戻ると、音楽専門のH田先生が「うん、いい曲だね。いい曲だ」と言ってくれて、とってもうれしかったのを覚えています。

こうしてわたしはエレクトーンを習うことはなかったものの、1日だけのエレクトーン奏者を体験することができたのでした。幸せなひとときだったナ…(*^_^*)
でも、このT和小学校は過疎化のため、隣りの小学校と統合して新しい学校になるそうです。なんかサミシイ…。

次回は『みの、T橋先生に泣かされる』です。

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Last modified: Fri Jul 19 00:19:58 JST 2002